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ご存知ですか?補助金制度には併用できるものがあることを?




国や自治体は特定の要件を満たしたリフォームエ事に対し、工事金額の一部を補助する制度を設けています。補助対象や補助金額は制度により異なりますが、中には外壁塗装を対象にしたものもあります。今回は補助金を使って自宅の外壁の塗り替えを行った事例を取材しました。 「省エネや耐震補強関連のリフォームエ事を対象にした補助金があるのは知っていたが、外壁塗装を対象にしたものまであるのは知らなかった。業者が教えてくれなかったら知らないままで終わっていたかもしれない」 こう話すのは、福岡県筑紫野市にお住まいの高木治道さん(仮名)です。高木さん宅は昭和59年築の2階建て木造戸建て住宅。築30年を迎えた 2014年の春に耐震補強工事と合わせて外壁の塗り替えも行いました。 その際、施工を頼んだリフォーム業者のすすめで地元自治体に補助金を申請。審査が通り、上限となる10万円の補助金がもらえることになりました。

ここで、もしかするとこの" 10万円"という金額に物足りなさを感じる方もおられるのではないでしようか?補助金の申請は単に申込用紙に必要事項を記人するだけではありません。必要な書類を用意するだけでもそれなりに手間がかかります。それを考えると、この金額が割に合わないと考える方がいても不思議ではありません。 しかし、実は高木さんが受け取った補助金はこれだけではありませんでした。他にも耐震補強工事を対象にした補助金60万円を受け取っていました。 念のためご存知ない方のために申し上げておきますと、リフォーム関連の補助金の中には工事内容が違うことを条件に他の制度との併用を認めたものがいくつかあります。 高木さんの場合、耐震補強を対象にした補助金と、外壁塗装を対象にした補助金の2つの制度を利用しました。その結果、併せて70万円の補助金を手にすることができました。かかった費用は合計で460万円、そのうち約15 %にあたる70万円を補助金で賄った計算になります。

「正直なところ、もらえても20万~ 30万円程度だろうと思っていました。工事を頼んだリフォーム業者さんが、どんな内容の工事をすればたくさん補助金をもらえるかを丁寧に教えてくれたのでとても助かりました。もともと補助金がもらえるとは考えていなかったので、残ったお金で新しくテレビを購入することができました」 高木さんにとって幸運だったのは、工事を頼んだリフォーム業者が補助金制度に明るかったことでした。世の中に補助金制度の存在を知らないリフォーム業者はおそらくいませんが、みんながみんな懇切丁寧に補助金制度の種類やどの制度が利用できるかなどについて教えてくれるわけではありません。 申請には手間や時間がかかります。次の仕事が控えていて忙しいときに、余計なことで手を煩わされたくないと考えるのが普通です。しかも、補助金制度を利用したからといって、リフォーム業者には何のメリットもありません。さっさと工事を終わらせて代金を受け取る、そう考えるだけです。

さて、話は逸れましたが、最後に高木さん宅の工事内容をまとめておきます。 まずは耐震補強工事についてですが、こちらについては自治体の無料診断を受けたのち、耐震評価を上げるために専用金具で構造体を補強し耐カ壁を追加しました。結果、最初の診断ではO. 6しかありませんでしたが、リフォーム後は1.1まで上昇しました。これで大きな地震が来ても一応倒壊しないというお墨付きが得られました。 外壁の塗装には遮熱塗料を採用。これには熱の伝導をシャットアウトすることで冷暖房の効きを良くし、夏、冬の電気代を削減する狙いがありました。この遮熱塗料には一定の効果があったようで、年間を通じて電気代が1割程度安くなったそうです。 リフォームを検討されている方は利用できる補助金制度がないか確認してみることをおすすめします。申請のタイミングが遅いと、その年度の受付が終了してしまっていたなんてこともあるかもしれませんが、今の時期であればまだ申請可能なものもたくさんあるはずです。 補助金制度を利用したリフォームに関するご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。

◆『住生活新聞』2022年7月号( 073号)より

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