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【リフォーム詐欺】偽画像で高齢者の不安を煽る好青年を装った 営業マンにご用心!




住宅リフォームにまつわるトラブルの相談件数は、2008年以降、増加傾向にあります。 中でも多いのが高齢者を狙った悪質な詐欺。

今回も、詐欺に遭 わないための対策や心構えを実例を交えながら解説したいと思います。



悪質業者の手口として最も多いのは、何かと理由を付けて家を点検し、その結果、問題が見つかったからと不安を煽り、強引に契約させるというものです。 訪問の理由は、【近くで工事をやっている】 【地域の営業担当になったので挨 拶回りをしている】【たまたま家の前を通りかかったら気になることがあった】【事業拡大に伴いキャンペーンの案内で来た】など、さまざまですが、いずれにも 共通しているのは最初は人の良さそうな感じを装って近づいてくるという点です。

自治体や消費者センターが注意を喚起しているにも関わらず、ご家族と離れて暮らしていて普段一人で寂しい思いをしている、あるいは連れ合いに先立たれてしまったご老人たちがコロッと騙されてしまうのも仕方ないかもしれません。 被害に遭われた方は大抵、「あんなに人の良さそうな人が詐欺をするなん て...」「あの人が私を騙していたなんて今でも信じられない...」と、現実を受け入れるのに時間がかかるものです。 川崎市在住のSさん(63歳)は、築35年の木造戸建てにお一人で住んでおられました。 ご主人は3年前に他界。 2人のお子さんはすでに結婚し、小田原と大阪でそれぞれ暮らしていました。 孫たちに会えるのは年に一度、正月の時だけ。あとは、小田原に住む長男がたまに様子を見に来る程度という状況でした。

そんなSさんのもとにある日、スーツを着た20代と思われる男性が訪ねてきて、「この4月に社会人になったばかりの新人です。勉強のために、この地域 一帯を回ってみなさんにご挨拶しています」 と言って一枚の名刺を差し出してきました。見るとそこには「○○工務店」という会社名が印刷されていました。 少し前に、たまたまテレビでリフォーム詐欺の番組を観ていたSさんは、「これはもしかしたら」と警戒し、「ちょっと今手が離せないので」と言って、すぐに家の中に入ろうとしました。 すると男性は、「ノルマで名刺を100枚配らなけれ ばなりません。これも何かの縁と思ってもらってくれませんか」と再度、名刺を差し出してきたため、「名刺をもらうぐらいなら...」と、Sさんはそれを受け取りました。 そんなやりとりから数週間後、買い物の荷物で両手がふさがり、家の鍵を探すのに苦労していたSさんは、「大丈夫ですか?」と後ろから声をかけられました。 振り返るとそこには、名刺を置いていった若者が立っていました。 「あ、だいじょ...」言い終わらないうちに男性はSさんの手から荷物を取り、玄関の前に歩いて行ってしまいました。 やむを得ずSさんは、空いた手でカバンの中からカギを取り出して扉を開け、荷物を玄関まで運んでもらいました。 「困ったときはお互い様です。困ったことがあったらいつでも声をかけてくださいね」 そう言うと男性は、Sさんがお礼を言うよりも早く玄関を出て行ってしまいました。 真面目な印象を受けたSさんはこれを機に、男性を見かけると自分から挨拶するようになりました。

それから1カ月ほど経ったある日、Sさんのもとに男性が深刻そうな顔をして訪ねてきました。 「実は『無料点検の申し込みの一つも取れないのか』って上司に怒られてしまって...。このままだともうすぐクビになっちゃうかもしれません。お金はかからな いので点検だけでもさせもらえませんか?」 何度か挨拶を交わすうちに良い印象を持つようになっていたSさんは少し悩 んだ後に、「無料なら...」と点検を受けることを了承してしまいました。 翌日、男性は点検スタッフと思わしき作業着姿のスタッフを伴ってやってくると、家の外周や床下などを1時間ほどかけて点検。

そして作業が終了するとSさんに対し「床下の配管からしみ出ている水滴のせいで躯体が腐りかけていますこのまま放置しておくと大変なことになります」と言って携帯電話で1枚の画像を見せました。 そこには、確かに腐りかけた家の躯体が写っていました。 予想もしていなかった事態に驚いているSさんに対し男性は「修理には普通50万円くらいかかりますが、当社はキャンペーン中なので半額くらいで直せますよ」 と提案。 Sさんは状況が状況なだけに言われるがまま契約書にサインしてしまいました。 夜になって心配になったSさんは小田原に住む長男に事の次第を報告。 あまりにも話がうますぎることを不審に感じた長男は、知り合いの建築士に頼んで再度床下を点検してもらうことにしました。 翌日、朝一番でやってきた建築士は床下をくまなくチェック。 すると不思議なことに水漏れしている場所はどこにも見つかりませんでした。



「そんなことはない、私は写真も見ました」と話すSさんに対し、建築士は、 もしかしたらあらかじめ用意してあった画像を見せられただけかもしれないとアドバイスしました。 とにもかくにも問題が見つからない以上、一刻も早く契約を破棄しなければなりません。 Sさんはすぐに男性に電話をかけ、「長男が点検に自分も立ち会いたいと言っているので、いったん契約を解除したい」と申し出ました。 すると男性は、それまでの態度から一転、「こっちは全部手はずを整えてしまった!今さら契約破棄だなんていわれても困るから訴える!」と言って 一方的に電話を切ってしまいました。 Sさんは建築士の助言に従い、本件を消費者センターに相談しました。 そして、担当者から意外な言葉をかけられました。 「○○工務店にまつわるトラブルの相談はこの1、2カ月ほどで何件か寄せられています。 中には工事代まで請求された方もいます。Sさんは工事前に気付けて良かったですね」

詐欺を見抜くのは素人には至難の業です。 いったん狙われたら最後、相手はあの手この手を使って、契約を取ろうとしてきます。 ◆『住生活新聞』2020年3月号(045号)より

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