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【賢い補助金制度の使い方】 補助金制度を使って工事費の自己負担分が 4分の3に!



まだまだご存知ない方が多いリフォーム工事を対象にした補助金・助成金制度 確かに「どんな内容の工事をすればもらえるのか」あるいは「ど のくらいの金額がもらえるのか」など不明な点が色々とありますが、制度 をきちんと理解して活用することで予定していた以上の内容の工事ができることもあります。

補助金・助成金制度を活用したリフォーム事例をご紹介します。 リフォームを検討されている方はぜひ参考にしてください。 =========== 千葉県柏市の住宅街。 都内へのアクセスにも優れ、ベッドタウンとして発展してきたこの街に住む田中幸雄さん(仮名)は、今から3年前に補助金を利用して自宅の改修工事を行いました。 建物は築42年(当時)の木造平屋で、延べ床面積は約50m。 もともと田中さんのご両親が暮らしていましたが二人とも高齢を理由に老人ホー ムに入居したため、空けておくのはもったいないからと奥様と一緒に移り 住むことにしたそうです。 ところが、実際に生活を始めてみるとさすが築年数が経っているだけのことはあってあちらこちらに傷みがあることが分かりました。 それまで一度もリフォームらしいリフォームをしたことがなかったため、キッチンやお風呂といった設備も相当古くなっていたそうです。

田中さんは悩んだ末、地元で工務店を営んでいる高校時代の同級生のSさんにリフォームの相談をしました。 現地を訪れたSさんが一目見て気になったのは、設備の古さや傷みよりも建物自体が非常に重たい土壁や土葺瓦が使われている点でした。 40年以上も前の建物ですので設計は当然ながら旧耐震基準。

「これでは大きな地震が来たら倒壊してしまうかもしれない」と感じたそうです。 早速、 住宅診断をしてみたところ、案の定、評点はわずか0.25、「倒壊する可能性が高い」という結果になりました。


この結果を踏まえ、リフォームは耐震補強を最優先にしつつ、一方で 生活しやすいように設備を最新のものに入れ替える方向で進めることになりました。

傷んだ箇所の補修や設備の交換に加え耐震補強まで行うとなると普通であれば最低でも1000万円くらいの費用は掛かります。

さすがに そこまでの予算はないということだったので、Sさんは田中さんに対し補助金を利用することを提案しました。 主なリフォーム内容は次の通りです。

  1. 耐震補強関係

  2. 躯体の接合箇所を耐震金具で補強

  3. 壁の内部を構造用合板で補強し耐震性能を上げる

  4. 浴室、キッチン、トイレなど、水回り設備を最新のものに交換

  5. 断熱性能を上げるために、壁と天井にグラスウールを施工する

  6. 窓を複層ガラスに交換し、断熱性と気密性をアップさせる

今回は耐震工事と省エネリフォームを同時に行うというものだったため、「木造住宅耐震補強補助金」と「長期優良リフォーム補助金」という2種類の補助金を利用することができました。

それぞれ115万円と100万円が支給されることになり、田中さんの負担は785万円に抑えることができました。 実に全費用の4分の1近くを補助金で賄うことができたというわけです。 工事後、改めて住宅診断を行った結果、評点は1.69まで大幅に上昇しました。 これなら大きな地震が来ても簡単に倒壊したりすることはありません。

断熱性能も飛躍的に向上したためエアコンの利きが良くなり、冬の 電気代がそれまでと比べ2割近く安くなったそうです。

一度のリフォームで利用できる補助金・助成金制度は一つとは限りません。 耐震やバリアフリー、省エネなど、色々なリフォームを組み合わせる ことで一度に複数の制度を利用することもできます。 みなさんもご自宅を リフォームする際にはぜひ補助金制度の利用を検討してみてください。 ◆『住生活新聞』2021年2月号(056号)より

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