自宅を快適にリフォームするための補助金制度があるのをご存知でしょうか? 国や自治体は耐震性や省エネ性能の高い家を普及させるために、さまざまな補助金制度を用意しています。
リフォーム時に利用できる補助金制度を実際の施工事例とともにご紹介します。
神奈川県横浜市にお住いの田畑実さん(仮名・55歳)。2015年に市の省エネ改修補助制度を活用して当時築35年のご自宅をリフォームされたそ うです。 田畑さんがリフォームを考えるきっかけとなったのは、エアコンの故障でした。 15年以上使っていたエアコンが壊れたため近くの家電量販店に新しいものを買いに行ったところ、店員さんから次のような言葉をかけられました。 「最近のエアコンはどれも高性能で効きが長持ちします。省エネ性能も高いので、かなり電気代を節約できると思いますよ」
季節ごとの温度変化が激しくなったせいでエアコンを使う機会が増え、 以前よりも電気代が高くなったと感じていた田畑さんは店員のこの言葉に納得し最新式のエアコンを購入しました。
動作音は静かでそれでいて本体から噴出される空気は依然とは比べ物に ならないほど快適-最新エアコンの性能にすっかりご満悦の田畑さんでした が、購入してか2週間ほどした頃からあることが気になり始めました。
「効きが長持ちすると聞いていたが、スイッチを切るとすぐに効き目がなく なってしまう。だから結局、またスイッチを入れる。こんなことを繰り返していたのでは電気代が高くついてしまうのでは...」 案の定、エアコン購入から1カ月後に来た電気代の請求金額は以前とさほど変わりませんでした。
そんなある日、田畑さんは高校時代の同級生でリフォーム会社に勤める友人と食事をしました。
そこで例のエアコンの話をしたところ、友人は意外なことを口にしました。
「いくらエアコンの性能が良くても、家の断念性能が低かったら効きは長持ちしないよ。自宅は築何年なんだい?」
田畑さんが築35年になると答えると、友人は
「それだとおそらく、エアコンの性能はフルに発揮できていないかも知れない。量販店の店員も悪気があって言ったわけではないだろう。まさかそんな古い家だと思っていなかっ たんじゃないかな。家の断熱改修工事をすれば、状況は一変すると思うよ」
家が古いとエアコンの利きが悪いそんなことを考えてもみなかった田畑 さんは、1週間ほど悩んだ後、家のリフォームを決意。
その友人にプランの作成と見積もりを頼みました。
予算は100万円。打ち合わせの結果、改修は新しいエアコンを取り付けたリビングダイニングを中心に行うことになりました
ここで友人は田畑さん に対しある提案をしました。
「断熱改修を行うのであれば、横浜市の補助金制度を申請できるかもしれない。最大40万円くらいの補助金が出るので、それを活用して古くなったキッチンもまとめて改修したらどうか」
田畑さんは提案に従い、補助金の申請手続きを行いました。
補助金は予算が決まっているためタイミングが遅いともらえない場合もありますが、幸いにも田畑さんは満額となる40万円の補助を受けることができました。
工事は2週間ほどで終了。
リビングとダイニングの床、壁、天井には断熱材が施工され、窓はペアサッシに交換されました。工事終了後、田畑さん は早速、エアコンの利きを試してみました。
1時間ほどしてからスイッチを切ってみたところ、工事前は室温は30分もしたら元の状態に戻ってしまって いたのに、工事後は1時間経ってもほとんど変わりませんでした。
「家の断熱改修をしただけで、こんなにエアコンの利きが変わるとは思って もみませんでした。これなら電気代をだいぶ節約できそうです」
真夏や真冬などエアコンの使用頻度が高い時期には電気代は1万5千円 前後かかっていたそうですが、リフォーム後は1万円を超えることがなくなったそうです。
年間で6万円の電気代削減に成功したわけです。 これから15 年エアコンを使うと仮定すると電気代の節約額は90万円。 実質10万円の負担で断熱改修工事を行えたことになります。 みなさんも「予算が足りない」と諦めてしまう前に、一度、利用できる助 成金・補助金制度がないか調べてみてください。 助成金・補助金制度を利 用したリフォームのご相談は全国優良リフォーム会員の「ミヤハウグループ」まで。 ◆『住生活新聞』2021年3月号(057号)より
Comments