襖には知らず知らずのうちにホコリや汚れなどが溜まっていたり、いつの間にか穴が開いてしまったりしてしまいます。
日々の掃除や年末の大掃除で隅々まで掃除したつもりでも襖の掃除や修理は意外と忘れがちです。
今回は素人でもできる襖のはり替えについて解説します。
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子どもやペットがイタズラして、襖や障子に穴が開いてしまったというのはよくある話。
しかし、その都度それを直していたのでは手間がかかって仕方ありません。
専門業者に頼むのが一番手っ取り早いですが、破れているのが1枚だけだと何だか頼みづらくありませんか?
それならいっそのこと、自分ではり替えに挑戦してみるのも手です。
道具や材料はお近くのホームセンターに行けば手に入ります。
ご近所にホー ムセンターがないという方はインターネットで取り寄せてください。
今はDIYが流行りですので大手の通販サイトで意外と安く購入することができます。
はり替えに必要な道具は次の通りです。
◎襖紙 ◎障子のり のり刷毛 ◎ マスキングテープ ◎ はさみ◎ 金づち ◎引手バール
はさみや金づちはどのお宅にもあると思いますが、引手バールはないお宅が多いのではないかと思います。
必ず買い揃えるようにしてください。
それでは道具が一通り揃ったところで具体的な手順を見ていきましょう。
まずは襖に取り付けられている「引手」を外します。
バールを引手と襖の間に差し込んで、ゆっくりと浮かせながら外してください。
上下が小さな釘で固定されている場合は、バールで少し浮かした後、釘の頭をペンチなどでつまんで引き抜いてから外すようにしてください。
力がいる作業ではありませんので女性でも簡単にできます。
「引手」が外れたら次は枠を取り外します。
ここでもまたバールを使います。
枠と襖の間に差し込んで隙間を作っていきます。
この時、固定のために打たれている釘の近くにバールを差し込むのがコツです。
枠と襖の間にある程度隙間ができたら、あとはゆっくりと左右にゆするように して枠を襖から引きはがしてください。
釘ではなくネジで固定されていることもありますので、その場合はドライバーでネジを外してから枠と襖を分離させてください。
次はいよいよ襖に襖紙を貼り付ける工程になります。
襖のリフォームは基本的に新しい襖紙を上から貼るため、古い襖紙を一回一回剥がす必要はありません。
ただし、何度も上貼りしていて厚みが出ている状態の場合は、古い襖紙をいったんすべて剥がしてください。
襖に穴が開いている場合は穴の補修をします。
襖紙とは別に補修紙というのが市販されていますので、そちらを使用します。
穴よりも少し大きめに切り出し貼り付けます。
このとき補修紙をスポンジなどを使って湿らせた状態にしておくと作業がしやすいです。
さて次の手順です。
襖紙を貼り付けるために施工面にのりを塗っていきます。
このとき、周辺部にはのりをそのまま塗り内側には水で薄めたのりを塗るようにしてください。
襖紙はあらかじめ巻き癖を直しておきます。
真っ直ぐな状態になったら水で薄めたのりを全体に塗り、破れないように持ち上げて襖に乗せます。
このとき、 シワや折り目が付かないように注意してください。
空気が入ってしまった場合は手で優しく押し出すように外側に向かって押し出してください。
キレイに貼れたら、縁の部分を織り込み四隅にできたシワをはさみで切り落とします。
あとは引手をはめ込む位置に、カッターなどで切り込みを入れておいて下さい。
ここまできたら一旦のりを乾燥させます。
季節にもよりますが冬であれば1~2時 間程度、風通しの良い場所に置いておくとよいでしょう。
襖紙がしっかり乾いたらあとは枠をはめて、引手を取り付けて完成です。
最初は木枠を外す部分や、襖紙を貼り付ける作業で多少手間取るかもしれませんが、馴れてしまえば、素人の方でも1枚あたり2、3時間程度(乾燥時間を含まず)で作業は終わります。 ランチタイムをそのまま乾燥の時間に充てられるように、午前中から作業を始めると時間を効率よく使うことができます。 ぜひみなさんもこの機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。 ◆『住生活新聞』2020年11月号(053号)より
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