大雪、台風、大雨、地震、竜巻など、日本はこのところ毎年のように大規模な自然災害に見舞われています。
「自宅が大きな被害を受けた」
という方もたくさんおられるのではないでしょうか。
被害の状況にもよりま すが、修理に高額な費用がかかることも珍しくありません。
そんなときみ なさんはどうやって修理費用を捻出しますか?
自然災害被害にも利用できる火災保険についてまとめました。
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新型コロナの影響もあり、年越しを自宅でゆっくり迎えられた方も多いかと思います。
冬といえば、一番の心配事は雪です。 最近は寒さが厳しい東北や北海道、日本海側だけでなく首都圏でも大雪が降ることが珍しくなくなりました。 約10年前には、東海、関東、東北地方を大雪が襲い、東京都心部では20年ぶりに積雪が20cmを超えました。 交通機関はマヒし、多くの家屋が甚大な被害を受けました。 大雪のシーズンが到来する前にまずは備えをしっかりしておきましょう。
ところで、みなさんは大雪で自宅が被害を受けた場合、どうやってその 修理費用を捻出しますか?
「万が一の場合に備えて修理のための費用を蓄えている」
という方はおそらくほとんどいないでしょう。
急な出費でも数十万円程度ならすぐに用意できるかもしれませんが、 新年度を迎える直前時期だということもあってお子さんの進学費用などで資金的な余裕があまりないというご家庭も多いはず。
そうなると
「雪の重みで屋根に穴が空いた」
「カーポートが壊れた」
といったような事態が起 きても、すぐの対処が難しくなります。
意外とご存知ない方もおられるのですが、実は雪で自宅や建物が被害を受けた場合、その修繕費は火災保険で賄うことができます。
もちろん全 部が全部可能というわけではありませんが、条件さえ満たせば火災保険で損害が補償されます。
では、どんな条件を満たせば保険の補償対象になるのでしょうか。
基本的には、雪による被害は概ね補償の対象になる可能性があります。
例えば、
『積雪による重みで屋根が破損した』
『雪で建物がつぶれた』
といった場合は、ほぼほぼ火災保険で保証されます。
おそらく、雪による被害のほとんどはこのどちらかに該当します。
ただし、最終的に保険金が下りるかどうかは、損害額、つまり修繕した場合にどのくらいの費用がかかるかによって判断されるようです。
雪によって屋根の一部が破損したものの、修理費用が数万円で済んでしまう場合は、保険金が下りないことがほとんどだそうです。
一方、建物が倒壊した場合は、残骸の撤去から建て直しまでに相当な費用がかかりますので、よほどのことがない限り、保険金はおりると考えてよいかと思います。
まず、みなさんがなさるべきことは、加入されている火災保険の内容の確認です。
雪による被害が補償対象になっているのかはもちろん、その対象物についてもきちんと見ておく必要があります。
ありがちなのが、建物本体は補償の対象になっているのに、車庫や物置などの付属物が対象になっていないというケースです。
この場合、車庫や物置が雪で破損しても当然ながら保険で修繕費を賄うことはできません。
難しいのは、破損した箇所を直すのにどのくらいの費用がかかるのか、 また、修繕に保険を利用した方が良いのかの判断は素人ではなかなか判断できない点です。
また、今から火災保険に加入する場合、どの保険会 社のどんな保険商品を選べば良いのかも、なかなか判断がつきません。
今からでも遅くはありません。
もしもの場合に備えて、今のうちに改めて火災保険の見直しをされてみてはいかがでしょうか。
◆『住生活新聞』2021年1月号(055号)より